A.SELMER　Mk VI　Tenor Sax　Serial No：58XXX　【Vintage】

A.SELMER（アメリカン・セルマー）
マークシックス　テナーサックス　シリアルNo：58XXX　【ヴィンテージ】

ファイブデジット（５桁）のアメセル MkVI 美品テナーサックスです。シリアルから1954年〜1955年頃のものと思われます。使用によるスリ傷や多少のラッカー剥がれはありますがU字管を含めネックやベルなどにも目立った修理跡やダメージはなくこの年代のヴィンテージとしては全体的に非常に状態の良いサックスです。５万８千番台はSBAからMk6に変わった頃のシリアルでMk6初期のサックスです。普段はU字管リングにあるMARK VIの刻印が、この年代ものはサムレスト付近の上側に刻印されています。

オリジナルラッカーは少し赤みを帯びた深みのある色合いで、ベル彫刻も繊細かつ豪華で非常に美しいです。Mk6初期ということもあり音色は非常に柔らかくダークで音の重心の低い図太いサウンドが楽しめます。音の柔らかさやふくよかさで言えばS.B.A.の方があるように思いますが、Mk6の音の元気さというか音の芯の強さがあります。適度な抵抗感があり、個体としてまとまりのある図太いサウンドが出せるサックスだと思います。

まだまだこれから吹き込んで行くことで音の抜けや深みが増してくる個体ですのでじっくりと音を育てて楽しみたい方にもお薦めです。Mk6は幅広いサウンドを創ることができるポテンシャルを持ったモデルですのでマウスピースや吹き方によって多彩な音色を楽しむことができます。オットリンク系マウスピースを使って王道サウンドを楽しむのも良し、ハイバッフル系のメタルマウスピースでフュージョン系を楽しむのも良しと、様々な音色を是非体感していただければと思います。

ヴィンテージのテナーサックスは状態の良い物が非常に入手が困難ですのでお探しの方は是非良い物がある内にご検討ください。特にSELMERの5桁のテナーサックスは非常にレアですので状態の良い物となる滅多に手に入りませんのでお見逃しなく！


■オリジナルラッカー
■マッチングネック
■High F#キーなし
■全タンポ交換済み
■反射板：プラスチックブースター
■調整済み
■付属品：BAM　Cabine　テナーサックス用ケース　【ブラック】　【新品】

【SELMER Mk6について】
今もなお世界中のジャズプレイヤーが愛用し続けているセルマーの名器とも言えるマーク６。MkVI は1954年頃から1973年頃までの約20年あまり生産されたサックスで、シリアルは5万番代後半から24万番代前半までとなっております。Mk6は反応・操作性の良いオクターブメカニズム、連動式テーブルキーの採用や、S.B.A(スーパーバランスアクション)から採用されたキーのオフセット配列をよりフィンガリングの操作性を向上するために角度を変更するなど、様々な改良を加えられました。現代のサックスの模範とも言えるMkVIの誕生によってセルマーはサックスマーケットでの地位を確立したと言っても過言ではありません。

Mk6にはフランスセルマー(フラセル)とアメリカンセルマー(アメセル)があり、それぞれに違いを持っています。ジャズマーケットを意識して生産されたアメセルはクラシックマーケットを意識して生産されたフラセルと比べるとラッカー塗装が薄く、その分管体の振動効率を損なわないため音の抜け、鳴りがよくなっています。また、アメセルは楽器を組み上げてタンポもつけた状態でラッカー塗装をしたため、オリジナルタンポにはラッカーがかかっているのも特徴のひとつです。ほかにもフラセルとアメセルとでは彫刻模様や調整など様々な違いがあります。