H.SELMER　Super Balanced Action　Tenor Sax　Silver Plated　Serial No：35XXX　【Vintage】 [商談中]

H.SELMER（フランス・セルマー）
スーパー・バランスド・アクション　テナーサックス　銀メッキ仕上げ　シリアルNo：35XXX　【ヴィンテージ】

フラセル スーパーバランスアクションのヴィンテージテナーサックスです。シリアルから1947年〜1948年頃のS.B.A.と思われます。こちらは珍しい銀メッキ仕上げで尚且つ彫刻付きと非常にレアな仕様となっています。S.B.A.では初期の部類ですのでLow B、B♭のキーガードがセパレート仕様です。ネックのプルダウン修理やベル折れ修理などもなく目立ったダメージもない個体で銀メッキもしっかりと残っており、この年代のビンテージとしては驚くほどコンディションが良いです。

銀メッキ仕上げということもありラッカー仕上げとはまた一味違う音色を持っており、より音の密度と力強さを持って鳴らすことができます。ラッカーよりも少し抵抗感はありますが吹きごたえを持ちつつ図太く落ち着きがあり適度に音の芯を持ちつつもセルマーらしいヴィンテージサウンドが楽しめます。低音域から高音域までスムーズにつながり、音色の中心に芯を感じながらも柔らかでそれでいて奥行感のある音色です。この言葉では表現できない独特の音の深みはヴィンテージならではと言えます。

ご覧のとおり非常に綺麗な状態のサックスですのでそれほど使われていないサックスということもありS.B.A.の中では少し音の若さを感じますのでこれから吹き込んで行けばまだまだ音も抜けてくると思います。柔らかく落ち着きがありつつもパンチの効いたサウンドも出せますのでしっかりと息を入れることで音の力強さと共に十分なパワーも得られます。

S.B.A.の中でも人気の高い年代の個体で彫刻入りの銀メッキ仕上げという非常に珍しい仕様の個体ですし、なによりこの年代のS.B.A.としては極めて良好な状態の個体ですので大変貴重な１本です。これからじっくりと育てていける個体ですので一生物になる逸品だと思います。ヴィンテージのテナーサックスでここまでのものは今や皆無に等しくなってきていますのでお探しの方やご興味のある方は良いものがあるうちに是非ご検討ください。弊社会長も自信を持ってお薦めする逸品です。


■オリジナルシルバープレート
■High F#キーなし
■全タンポ交換済み
■タンポ反射板：メタルブースター
■調整済み
■付属品：BAM　Cabine　テナーサックス用ケース　【シルバーグレー】　【新品】

【SELMER Super Balanced Action(通称S.B.A)について】
現在でもジャズプレイヤーに絶大な人気を誇るSuper Balanced Action（スーパー・バランス・アクション）はアルトではポール・デスモンド氏、テナーではジョン・コルトレーン氏が愛用していたことでも有名で、その独特のやわらかで艶やかな音色は同じセルマーのMkVIやMkVIIとはまた違った魅力を持っているサックスです。S.B.A.とは通称で実際の正式名称はスーパーアクションですが、1980年代に発表されたスーパーアクション80(いわゆるエイティ[SA80 SeriesI])との混同を避けるためにS.B.A.と呼ばれるのが浸透していったとされています。前の機種であるBalanced Action(以後B.A.と略)は12〜13年以上も製造されましたがS.B.A.は1946年前後から1954年頃までの比較的短い期間の生産で希少なモデルです。B.A.の主管キー配列がインラインに対し、S.B.Aからは主管のキー配列にオフセットが採用されました。オフセットが採用されたことにより、自然に左右の手を構えられるようになったことでよりスムーズなフィンガリングが可能となり操作性も向上しました。S.B.Aの前期の彫刻は豪華で美しい彫刻の物が多く、Low B、B♭のキーガードはセパレートタイプとなっています。S.B.Aの後期になってくるとMkVIの前期と同じような彫刻になり、低音キーのキーガードもセパレートタイプではなく、MkVIと同じような一体型のタイプになっています。ちなみに、一般的にアメセル（アメリカンセルマー）と呼ばれるモデルは一部の例外を除きこのS.B.Aから始まったと言われています。

S.B.AにもMkVI同様にフランスセルマー(フラセル)とアメリカンセルマー(アメセル)があり、それぞれに違いを持っています。ジャズマーケットを意識して生産されたアメセルはクラシックマーケットを意識して生産されたフラセルと比べるとラッカー塗装が薄く、その分管体の振動効率を損なわないため音の抜け、鳴りがよくなっています。また、アメセルは楽器を組み上げてタンポもつけた状態でラッカー塗装をしたため、オリジナルタンポにはラッカーがかかっているのも特徴のひとつです。ほかにもフラセルとアメセルとでは彫刻模様や細かな仕様など様々な違いがあります。