A.SELMER Mark VI Tenor Sax Serial No:72XXX 【Vintage】
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A.SELMER(アメリカン・セルマー) マークシックス テナーサックス シリアルNo:72XXX 【ヴィンテージ】 ファイブデジット(5桁)のアメセル MarkVIのテナーサックスです。使用による擦り傷や多少のラッカー剥がれはあるものの、ネックのプルダウンやベル折れなどの修理歴もなく目立ったダメージもない個体で5桁のテナーとしては全体的に状態の良いサックスです。ベル彫刻も職人の技が光る細部まで丁寧で美しい仕上がりです。
オリジナルラッカーも十分に残っており、グリーンラッカーとまではいかずとも光の色味によってはやや緑がかかったようなヴィンテージラッカーで、MarkVI中期や後期とも風合いが異なる深みのあるラッカーは実に風格があります。なお、指が触れるサムレスト上のオクターブキーレバーと右手サムフックにはクリア系の塗装でオーバーラッカーされています。おそらくは過去のオーナー様が指が触れて剥がれやすい部分の保護のために行ったものと思います。
音色はまさに極上。図太く柔らかで落ち着きのある音色でありながらも程よい音の輪郭と密度を持った奥行のあるヴィンテージサウンドが楽しめます。サブトーンもJazzyで豊かで広がりのある音色が響き渡ります。低音の図太さは何とも言えな深みがあり、ベルの奥底からグッと音の太さを持って押し出てくるこの音色はテナーマンにはたまらない音色だと思います。
5桁ということもあり後期のMarkVIよりも音に落ち着きがありますがダーク過ぎるということはなく、音量も十分に出せます。状態が綺麗なものは吹き込まれていないものが多い傾向がありますが、こちらの個体は適度に音も抜けており低音域から高音域までスムーズな吹奏感です。もちろん抜けきっているわけではありませんのでこれから吹き込んで行くことでまだまだ音の深みも増してくることでしょう。
SELMERに限らずヴィンテージのテナーサックスは状態の良い物が非常に入手が難しくなってきており、MarkVIの中でもファイブデジットは特に入手が難しい年代のサックスになっています。MarkVI初期の7万番台でここまで状態の良い個体は日本はもとより海外でも滅多にお目にかかれませんのでお探しの方やご興味のある方は良い物があるうちに是非どうぞ。これぞMarkVIのテナーサウンドと言える深みのあるヴィンテージサウンドが楽しめます。状態も良好で適度に音も抜けた個体で自信を持ってお薦めできる逸品です。
■オリジナルラッカー ■マッチングネック ■High F#キーなし ■全タンポ交換済み ■反射板:プラスチックブースター ■調整済み ■付属品:NONAKA テナーサックス用超軽量パックケース 【ポケット付き】 【新品】
【SELMER MarkVIについて】 今もなお世界中のジャズプレイヤーが愛用し続けているセルマーの名器とも言えるマーク6。MkVI は1954年頃から1973年頃までの約20年あまり生産されたサックスで、シリアルは5万番代後半から24万番代前半までとなっております。Mk6は反応・操作性の良いオクターブメカニズム、連動式テーブルキーの採用や、S.B.A(スーパーバランスアクション)から採用されたキーのオフセット配列をよりフィンガリングの操作性を向上するために角度を変更するなど、様々な改良を加えられました。現代のサックスの模範とも言えるMkVIの誕生によってセルマーはサックスマーケットでの地位を確立したと言っても過言ではありません。 Mk6にはフランスセルマー(フラセル)とアメリカンセルマー(アメセル)があり、それぞれに違いを持っています。ジャズマーケットを意識して生産されたアメセルはクラシックマーケットを意識して生産されたフラセルと比べるとラッカー塗装が薄く、その分管体の振動効率を損なわないため音の抜け、鳴りがよくなっています。また、アメセルは楽器を組み上げてタンポもつけた状態でラッカー塗装をしたため、オリジナルタンポにはラッカーがかかっているのも特徴のひとつです。ほかにもフラセルとアメセルとでは彫刻模様や調整など様々な違いがあります。
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